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竪琴・現代ライアーの話

この記事は、以前のホームページの3枚目です。

<竪琴という名> 
​独語 Leier「ライアー」
仏語 Lyre「リール」
英語 Lyre「ライアー」 
ラテン語 Lyra「リラ」
 日本語では、「ライアー」と名付けています。 
「竪琴」ともいいますね。

<楽器としての竪琴>
​弓や矢、石ひじりや槍は、
遠くにいる動物を仕留めたり、
生き延びるための戦いに備えて、
必要不可欠なものとして発達していきました。
そういった長い歴史の間、
はじく音を持ち、人の耳を刺激した弓は、
音楽の音色としてとらえられ、
竪琴のような楽器として生まれてきたのではないでしょうか。

紀元前4,000年前のエジプト、
紀元前3,000年のメソポタミアの
シュメール人の竪琴の絵画などが残っているようです。

<ライアーの家族>
イスラエルのキノール(Kinnor)
アメリカの楽器ドゥルシメール(Dulcimer)
ハンガリーのCemblaon(チェンバロン)
アラブ諸国のSantoon(サントゥ―ン)やKanun(カヌン)
ドイツやオーストリアのZither(ツィター)
フィンランドのKantelet(カンテレ)
アフリカのNianiti(ニャニティ)やInanga(イナンガ)
ビルマのサウン・ガウ(Saung-Gauk)、ビルマの竪琴ですね。
中世音楽で活躍するプサルテリオン(Psalterion)も仲間ですね。

ちょっと調べるだけで、ざっとこんなに出てきました。
すごいですね。

指で直接はじいたり、棒や羽でたたいたり、
引っかけたりして音を出します。
最近聞いたのですが、カラスの羽、いいそうです。

<ライアーとハープ>
楽器に駒があるものが竪琴の家族、
駒なしで弦が張ってあるものがハープの家族と
区別化できます。​

<療法のためのライアーの調弦>
432Hz(ヘルツ)のピッチに「ラ」=「A」の音を合わせます。
療法といっても、すべての療法の楽器のピッチが 432ではなく、
ルドルフ・シュタイナーが提唱したもののようです。
私は、この現代ライアーには非常に良い響きになるので、
それを使用しています。

440に合わせると、楽器の張力と合わないのか、
音色が少しきつく感じられますが、時々必要なので使います。
また415、392など使ってみましたが、
音量がないこの楽器にはあまり合わないと個人的に思います。
雅楽は近いピッチなので、合わせてみたらいいかもしれません。
​またヴェルディは432Hzを推奨し、
「ヴェルディのA」と言われていたという記事を読んだことがあります。
​​
<ライアーの音律>
現代ライアーは、一般的には平均律を使用しています。
クロマティック楽器なのですが、
実は個人的には、中世音楽に使うピタゴラス音律に合わせるのが好みです。
ミントーンは、​​残響の長いライアーに合う音律ではないと思います。
他はまだためしていません。
ためしたら掲載します。

<調の自由なペンタトニック>
ペンタトニックの「ペンタ」ラテン語で「5」を表すように、
1オクターブ音階の5つの音で作られる音階します。
大きく分けて、陰音階と陽音階がありますが、
どの音から始まっても、どの音で終っても許されるとされ、
オープンさがあります。
現代ライアーは、このペンタトニックに趣を置き、
またこの楽器だけでなく、
メロディーの作りやすさ、耳に馴染みやすさ、即興のしやすさということで
療法の場でよく使われるようです。
私も障害児施設で多く使いました。
現代ライアーは、5度音程の響きが大変美しいと思うので、
そういった特徴を大切にしていきたいと思います。

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