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ルネサンスダンスと演劇(コメディー・デル・アルテ)

みなさま、こんにちは。
先週は、イタリアでルネサンスダンスを踊ってきました。
フィレンツェで生まれたダンスは、
貴婦人の品格を学ぶひとつの手段でもありました。
そしてこの頃は、もうひとつ、演劇(テアトル)があります。
この二つが融合して、イタリアオペラが生まれてきます。
レオンカバレッロのオペラ『パリアッチ』は、
1人のコメディアンが、美しい女優ネルダに恋をする話ですが、
こういう文化の背景があったんだ、となんだか感慨深かったです。
コメディ・デル・アルテとは、なにかというと、お笑い演劇です。
マクドナルドの白塗りで赤い鼻を思い出すと分かりやすいです。
ピエロなど、多くの登場人物が生まれ、当時の楽しみとなりました。
言葉を介さず、動作だけでその時の心情を表します。
そして即興を多く含み、逆立ちをしたり、踊ったりします。
社会的な問題、風刺などを仮面をつけて顔を隠す事により、
自由に発言したりしたようです。
ジェスチャーだけでなく、言葉を入れていくようになると、
演劇はフランスに移っていきます。
パリでは、王様認定の演劇集団となり、
コメディーフランセーズのモリエールの時代になり、
絶大な支持を得ていきます。
今回は、ひとつの幕間劇オペラが出し物でした。
テアトルとルネサンスダンスをしました。
私は、テアトルに重心を置いた役をやらせていただきました。
演技をしながら踊る。。というものです。

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私は若い頃、東京で演劇を、パリでコメディーデルアルテを学んでいました。
やっておいて良かった~と思いました。
しかし前夜に最後の部分の振付(コレグラフィー)がついた時には、
もう本当に必死こいて覚えました。
身体はあちこち痛いし、キリキリいっていました。
なのに、当日のリハでまた変更。。
それもイタリアーノで話されるので、
顔が鬼のようになっていたと思います。
あっ、私の役は、アポロンや神にやっつけられる悪魔でしたから、
仮面つけなくても鬼の顔だったかな。。

diaboro1.png

振付を見たら一回で覚えるプロと違って、
私の場合は、身体を動かして何度も練習しないと覚えられません。
いろいろな人に相談したり、グチりながら、
本番ぎりぎりまで必死。。
実は、全体的にリハまでボロボロだったので、どうなる事かと思いきや。。
イタリア人が、ルネサンス時代の衣装をまとうと、
自分たちの血が騒ぐのでしょうか。。
一体になって、すごかったです。

アポロンも王子も王女も海の神も精も、ひとつになりました。
で、私は、練習から本番まで、矢に射られるなどして、
何度もあの世に行ってまいりました。
欲に狂い、悪を歓び、人をおとしめ、
そして神の審判によって、
もがきながら倒れる役は、案外好きです。
写真アップしました。

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